西東京市の歴史を学ぶ講演会を開催しました!

  • こども向けイベント
  • 掲載日2023年10月6日

講演会について

講演会名 「とびだせ 田無・保谷の村-江戸時代の生活とつながる人々」
日時   令和5年8月19日(土曜日)午後2時から4時
場所   田無公民館 視聴覚室
対象   小学4年生から高校生年代(大人の方も参加しました)
講師   行田健晃(ぎょうだ・たけあき)さん
     (成蹊中学・高等学校社会科教諭/西東京市文化財保護審議会委員)

「とびだせ 田無・保谷の村-江戸時代の生活とつながる人々」

当日は、小・中学生の子どもたちのほか、大人の方も、西東京市の歴史に興味がある方や市内で教育に携わる大人の方など、多くの参加がありました。参加者の中には、昨年度から続けて参加する熱心な小学生もいました。

今回の講演会のテーマは“江戸時代の農民の生活”。商売や旅行、お花見、引越などで、田無・保谷を「とびだし」て、いきいきと生活していた農民がいたことを、西東京市に残る記録を見ながら、楽しく学びました。

農民が出かけた先は様々です。村でつくった作物を江戸まで売りに歩いたり、お花見で玉川上水の「小金井桜」を見に行ったり、富士登山やお伊勢参りをしたりなど。また、結婚や養子に入るために村から村へと引っ越した農民たちもいました。

なぜ今になって、昔の人々の村の出入りが分かるのか。それは、西東京市や近隣の自治体に残る記録(古文書)にそれらのことが書き残されているからです。もちろん記録からすべての事実を読み取れるわけではないですが、発見された記録を通して、私たちは教科書には書かれていないような、農民一人一人のいきいきとした姿をイメージすることができます。

講師の行田さんは、様々な問いかけや分かりやすい例えを用いて、参加者に当時の村の様子を紹介しました。実際に古文書を用いて説明されたので、お話が具体的で説得力があり、まるで一人ひとりの農民の姿が目の前に浮かんでくるようでした。

参加した子どもたちからは、「歴史の楽しみ方を知れてよかった」「農民一人ひとりの生きざまを感じることができた」といった感想がありました。また、ほかの参加者からも「思っていた以上に具体的な人名・出来事に基づいたお話を聴けて、イメージもわきやすく、楽しかった」「もっと多くの子どもたちに聞かせてあげたいと思った」などの声をいただきました。

行田さんからのコメント

「日本の歴史」というと、人気を集めるのは、源平合戦、戦国時代や幕末といった「ヒーロー」「ヒロイン」が数多く登場する時期です。それに比べると、江戸時代の村やそこに住む村人のお話は、確かに地味かもしれません。でも、みんなのヒーロー、ヒロインになれなくても、有名でなくても、一人一人がそこに確かに生きていて、悩んだり、笑ったりしながら日々を力強く過ごしているということ、これはいつの時代でもどんな場所でも変わらないのです。

今回の講演を通して、そんな人々のすがたを皆さんにお伝え出来たなら幸いです。今後も、江戸時代を生き抜く人々に光を当てる活動を続けていきたいと思います。

行田さんが、講演会の内容を文章にまとめてくださいました。こちらからご覧いただけます。

子どものための地域を知る講演会について

西東京市図書館のイベントとして、平成29年度からコロナ禍の令和2~3年度を除き、今年度まで計5回開催してきました。子どもたちを対象に、西東京市の歴史についてわかりやすく楽しい講演を行っています。すべての講演会で、行田さんが講師を務めています。