第9回事例紹介(平成25年11月) 日本と海外の食料自給率/「五平餅」の由来/外食の価格の推移

事例25:日本と海外の食料自給率
質問 日本と外国の食料自給率を調べているので、載っている資料を探してほしい。
回答 下記の資料を提供しました。
  • 『世界の統計 2013』(総務省統計局編 総務省統計研修所編集 日本統計協会 2013)
    p109に世界41カ国の「主要農産物の自給率(2009)」が表になっています。品目は穀類(米・小麦)、砂糖類、いも類、豆類、野菜類、果実類、肉類、卵類、魚介類です。
  • 『食料・農業・農村白書参考統計表 平成25年版』(農林水産省編集 日経印刷 2013)
    p14に「我が国の食料自給率の推移」という表があり、昭和40(1965)年度から平成23(2011)年度までの、日本の供給熱量総合食糧自給率と生産額ベースの総合食料自給率が載っています。
  • 『食料自給率を考える』(山崎亮一監修 文研出版 2012)
    p41に「日本と主要先進国の食料自給率(カロリーベース)の移りかわり(1961年~2007年)」のグラフと、「人口1億人以上の国の穀物自給率(2007年)」のグラフ、p42に「日本の食料自給率の移りかわり(1960年度~2009年度)」のグラフがあります。P42のグラフでは、生産額ベースとカロリーベースの食糧自給率、また主食用の穀物自給率と飼料用もふくむ穀物自給率(いずれも重量ベース)の4種類の数値が載っています。
  • 『日本統計年鑑 第62回(2013)』(総務省統計局編集 総務省統計研修所編集 日本統計協会 2012)
    p283に昭和55年度~平成22年度の日本における「総合食料自給率」が5年おきに載っています。項目は、穀物自給率、主食用穀物自給率、供給熱量自給率の3つです。また、p280~283にある「食料需給(平成7~22年度)」の表では、米や小麦といった品目ごとの自給率が5年おきに示されています。
回答プロセス 「食」と農業・畜産業・水産業に関する統計図表をキーワードから検索できる索引である、『統計図表レファレンス事典-「食」と農業-』(日外アソシエーツ株式会社編集 日外アソシエーツ 2011)で「食料自給率」と引いたところ、p138に「食料自給率」の項目、p139に「食料自給率(外国)」の項目がありました。その項目に載っている資料で所蔵のあるものを調べました。
事例作成日 平成25年年11月26日
事例26:「五平餅」の由来
質問 長野の特産品に「五平餅」という味噌を塗った餅があるが、「五平餅」の名前の由来は何なのか。
回答

以下の資料に「五平餅」の名前の由来に関する記述がありました。

  • 『たべもの起源事典』(岡田哲編 東京堂出版 2003)
    p166に「ごへいもち(五平餅)」の項目があり、以下のように五平の呼び名に関する諸説が載っています。
    ・宮大工の五平という人が、焼きむすびがだいすきで、味噌を塗って焚き火で焼いていたとする説
    ・日本武尊が東征の折に、御幣の形にしたものを神に供えたとする説
    ・日本には串に刺して神に捧げ祈る風習があり、これを御幣と呼んだとする説
  • 『たべもの語源辞典 新訂版』(清水桂一 東京堂出版 2012)
    p68に「ごへいもち【五平餅】」の項目があり、以下のように名前の由来が示されています。こちらの資料では、名前の由来の諸説とともに、どの地域でそれらが生まれたのかが示されています。
    【長野県伊那地方】
    ・土地の宮大工の棟梁で五平という人が、毎日の弁当に、きまって握り飯に味噌を塗り、たき火にあぶっておいしそうに食べていたという説
    ・屋根ふき職人の五平が、板の切れっぱしにご飯を塗りかため、さらにその上に味噌をつけて焼いて食べていたとする説
    【南信地方および美濃山間部】
    ・日本武尊が東征のとき幣束の形にして神に供したのを里人に頒ち与えたのが起源とする説。それで御幣餅(ごへいもち)と書き、音が通ずるので五平餅とも書いたといい、尊の従者五平が焼いたのが始まりだともいうと書かれています。
    【美濃地方】
    ・狗賓餅(ぐひんもち)と称して天狗に供えるものが五平餅と同じもので、その形が神さまの御幣の用であるから御幣餅ともよぶといわれたとする説。御幣の形のようだというので、ごへい餅とよんだものを、五平とあて字で書き、五平という人がつくり始めたといったような伝説を考え出したのであろう、とも書かれています。
回答プロセス 食べものに関する事典を調べましたが載っていなかったため、同じ分類の一般書の書棚を確認したところ、上記2点の資料を見つけることができました。
事例作成日 平成25年年11月19日
事例27:外食の価格の推移
質問 1955年から2000年までの外食の価格の推移(ラーメン、カレーライス、とんかつ定食、生姜焼き定食、天丼、ナポリタンや、ビールや日本酒、グラスワインなど、大衆的な食堂での値段)を知りたい。
回答

国や東京都による統計資料ならびに、風俗に関する資料の中に外食の価格の推移についての記載がありました。

【国や東京都による統計資料】

  • 『完結昭和国勢総覧 第二巻』(東洋経済新報社編 東洋経済新報社 1991)
    総務省統計局が全国で実施している小売物価統計調査の、1950年から1988年の東京での数値を品目別に表にした、「品目別小売価格(東京)」がp495に載っています。外食の品目は、かけうどん、中華そば、カレーライス、親子どんぶり、すし、コーヒーです。
    *この資料のもととなっている「小売物価統計調査」は総務省統計局のホームページでもご覧になれます。
    「主要品目の東京都区部小売価格(昭和25年~平成22年)」(エクセルの表になります)
    URL: https://www.stat.go.jp/data/kouri/doukou/3.html
    こちらのページの「22-19 主要品目の東京都区部小売価格」という文字をクリックすると表が開きます。1950年から2010年までの数値が一覧できます。
    *また、小売物価統計調査とはどのような調査なのかが、国立国会図書館リサーチ・ナビに紹介されています。
    URL: http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-102125.php
  • 『東京の物価』(東京都総務局統計部社会統計課 東京都総務局統計部社会統計課)
    東京都統計局が毎月行っている小売物価統計調査をまとめた「主要品目の東京都区部小売価格」が載っています。調査品目は改訂を重ねていますが、①の資料の品目以外ではぎょうざや天どん、ハンバーガー、牛どん、ビールなどが対象となっています。
    *西東京市図書館では、1977年1月から現在までの資料を所蔵しています。調査自体は1974年3月開始で、西東京市で未所蔵の資料は東京都立中央図書館に所蔵があります。

【風俗に関する資料】

  • 『値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1981)
    『続値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1981)
    『続続値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編 朝日新聞社 1982)
    明治時代からおよそ昭和50年代までの値段の変遷が載っています。例として『値段の明治大正昭和風俗史』には日本酒(p85)、コーヒー(p134)、天丼(p195)、カレーライス(p231)が、『続続値段の明治大正昭和風俗史』にはサイダー(p14)、ビールジョッキ1杯(p148)、ラーメン(p179)などが記載されています。
  • 『物価の文化史事典』(森永卓郎監修 甲賀忠一+制作部委員会編 展望社 2008)
    外食・調理品の項があり、うどん・蕎麦や三越食堂、新宿中村屋のカリー、和食(寿司、天丼、中華そばなど)調理食品(コロッケ、とんかつなど)の値段変遷が昭和初期から2000年代まで載っています。
  • 『物価の世相100年』(岩崎爾郎著 読売新聞社 1982)
    巻末(p292~p293)に明治元年から昭和56年までの外食の値段の変遷が記載されています。
回答プロセス 風俗に関する資料は西東京市の資料検索で「物価」や「値段」などのキーワードで調べると見つかりましたが、現在までの引き続いた統計は見つからなかったため、他の図書館で似たような事例がないかをレファレンス協同データベースで調べたり、物価や値段の調べ方を国立国会図書館リサーチ・ナビで調べたりして、他の資料への手がかりを得ました。
事例作成日 平成25年年6月26日